間取り – 和室なんて要らない

住宅の間取りを考えるにあたって、特等席の位置が「東南角部屋」というのは常識ですね。
朝から昼にかけて常に日当たりが良く、午後は西日の影響を受けないという好条件です。
南側に隣接して高い建造物がある等の悪条件でなければ、家の中で最も快適に過ごせるこの位置にトイレや浴室がある間取りなど考えられません。
そして、自分では決して考えられないのがもうひとつ、「和室」を配置する事です。実際に居住されている家庭で、活用されているんでしょうか、この部屋は!?
週末になると沢山入って来る新聞の折り込みチラシの住宅の間取りを見ると、家の中でただひとつの和室が特等席に収まっている例の多いことに、悪い意味で感心させられます。
これは一体何なんやろ ? マーケティングというやつなのか ?
だいたい「和室」と言えば聞こえが良いが、床面積がたかだか30数坪程度の家では、単に窓が障子でタタミが敷いてあるというだけの部屋がほとんどです。しかも面積ときたら5~6畳相当程度。
ひょっとして将来親と同居するかもしれないための準備、といっても、こんな狭い部屋に ?
リビングに隣接して広がりを感じさせるなんていうのなら、最初からその分も含めて広々リビングにすれば良いではないか!! (ごろりと寝そべると気持ちが良い事は否定しませんが)
もしくは年に数回あるかないかの、親族やお客様が泊まっていくための部屋 ? ま、頻度が多ければ理解出来なくもないですが。しかし、今時そんな家庭はごく少数派なのではないのかな ?
和室で生まれ育ったのだから、自分の家を持つにしても心情的にひとつは和室が欲しい。
和室は多目的に使える ? 等々・・・貴重な場所を専有させるにはあまりにも薄弱な理由と思う。
というわけで、誰がなんと言おうとわたしはこの特等席にダイニング&キッチンを配置します。それしか考えた事がありません。主に食事をする場所だから"ダイニング"と呼んでいるだけで、わたしにとってそれは"リビングルーム"を意味します。家族と最も長い時間を過ごす場所だからです。
当然、キッチンはその一部とみなすので絶対に対面式です。
我が家では、7才の子供を含め、おおむね食後は各自別行動です。専用の"リビングルーム"なるものの部屋で、家族そろってソファに座って談笑しながらテレビを見るなんて生活は考えられません。そんなわけで、建築中の家では「和室」も「リビングルーム」も存在しません。
我が家にとっては、「ダイニング =  リビング」です。
ですから、ダイニングには一般家庭としては大きめのサイズの食卓をどんと置いてます。食卓の上には食事の時以外はごちゃごちゃ物を置かず、いつも広々としています。休日の朝はゆっくり新聞を読んだり、とりとめのない話をしたり。もちろん大切な話もここでします。小学生の子供もここで遊んだり勉強もします。妻は洗濯物の処理やアイロン台として活用してます。
子育て真っ最中なので、ここはいつも怒号が飛び交っていて心安らぐ場所とは行きませんが・・・
「早くご飯を食べなさい!!」「おもちゃを片付けなさい!!」「宿題はやったの!?」「食事の時はテレビを消しなさい!!」「食べ物をこぼさない!!」等々。いっぱしの口をきくようになった愚息はいちいち反撃するし ・・・とはいえ心地よい空間です(^^;)
ダイニングを重視するのは、自分の幼少からの体験が大きく影響しています。居間である和室よりも圧倒的に多くの時間を家族が過ごしていたのが台所兼食堂だったからです。子供であった自分にとっても、最も居心地のよい場所なのでした。
余談。
庶民の住宅で、ムカシの和室には、続き部屋のフレキシブルな使い勝手や掘りごたつや縁側など、魅力的な機能がありました。しかし今の自分たちのライフスタイルにはもう合わないのです。

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