Access Runtime 信頼できる場所問題を解決

Runtime / ランタイム 版の宿命 ? 信頼できる場所問題

情報システム部署はおろか専任の担当者など存在すらしないような小規模企業でのシステムの開発では、MicroSoft Accessは実にお手軽で手放せないGUI開発ツール。※私的実情としてはそれしか使えないだけではある
振り返ってみれば極めてニッチな用途なのにOfficeの一員として約30年間も生きているのはすごい事である。
それはともかくとしてAccess Runtime は、ユーザーが独自に開発したAccessアプリケーション用実行プログラムを無償配布出来る実にありがたい存在。
MicroSoft様が、元々が自社の商売のためとはいえ現在でもサービスを継続していることにはあらためて感謝するしかない。
とにかく開発用の製品版がひとつでもあれば良いわけで、コスト面からも圧倒的有利になる。
今もムカシも、これなしではAccessで業務システムを開発する意味がないとさえいえる。
さて、問題がひとつある。Runtime版をインストールしたクライアントPCで、任意のフォルダーに保存されたAccessアプリを開こうとすると強烈なお叱りを受けるのだ。新米開発者ならまいどおなじみだろう。

どうする !? Microsoft Access のセキュリティに関する通知

デスクトップでの例

ここで「開く」ボタンを押せば正常にアプリが動作するが、毎回こんなのが現れるのでは実用にならない。
信頼できる場所登録は、製品版Accessではオプションメニューから容易に出来るのだが、Runtime版ではオプション設定機能が存在しないので救済方法がない。

信頼できる場所はカンタンに登録出来る

正確には、この問題はAccessばかりでなくVBAマクロを内包したExcel などでも発生するらしい。
MicroSoft Office 共通の問題というわけ。対処方法はネット上にも様々で豊富な情報がある。
ここでは、自分がこれまでに実践して来て問題なく解決出来る方法を紹介する。
述べ100台以上のPCで問題解決して正常に運用したので自信を持っているが、この記事で初めて知ったという人は、個人的体験につき保証など一切出来ないのであくまでも自己責任で行ってもらいたい。

信頼できる場所の登録方法
  • 配布先PCで統一するフォルダーを同名フォルダーを作成し開発PCで信頼できる場所に登録
  • Windowsキー + R でレジストリエディタを開いて該当場所を探す
  • Access2016以降なら”・・・\Office\16.0\”内を見れば良い\HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\16.0\Access\Security\Trusted Locations\
    エディタの検索機能で”・・・\Microsoft”までの部分を検索すればすぐたどり着ける
  • Trusted Locations フォルダー内の”Location0″など、システムで共通利用する Path が登録されていることを確認し、エクスポートして任意の場所に保存
  • エクスポートしたファイルの内容を編集して、クライアントPCに登録すれば一件落着

レジストリエディターでファルダーをエクスポート

作成された拡張子 reg ファイルの内容はプレーンなテキストである。

Windows Registry Editor Version 5.00[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\16.0\Access\Security\Trusted Locations\Location99]
“Path”=”C:\appli\”
“AllowSubfolders”=dword:00000001
“Description”=””
“Date”=”09/16/2020 12:14”

HKEY 行の Location 番号を適切な数値に書き換えて保存すれば良い。当然 “Path”= のフォルダー名も確認しておく。
「適切な値」とは 他の Location 番号と重複しないことである。番号には特に制約がないようなので 99 にでもしておけば良いだろう。重複していてもエラー警告が出るだけで実害はない。
作業はたったこれだけの事である。あとは同じ reg ファイルを使い回せば良い。
クライアントPCではこのファイルを開く(メニュー名は”結合”)だけで一瞬で完了する。

無事に99番の Location が追加された。レジストリをいじるといってもOffice 関連のキーを追加するだけなので何も怖くない、平気である。といいつつ、自分の手掛けた業務では10番にしていたのでさすがに99番のテストにあたっては予備機で実行確認した。

登録したフォルダーにある実行用 accde ファイルを難なく開くことが出来た。
開発機能を削ぎ落とされているためか、起動もレスポンスも製品版より格段に軽快である。
運用には開発用と同じバージョンのAccess Runtimeインストールが必要なのはいうまでもない。
※インストールプログラムは32ビット用と64ビット用に分かれているのでご注意

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