平群町ウォータパーク閉鎖の闇

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公営(町営)プールがわずか28年間で老朽化して閉鎖とは

1993年に開業し、3年前にコロナを理由に閉鎖された平群町ウォータパークがそのまま廃止された。
正常管理されていれば、状況が落ち着いた今夏は大いに賑わっていただろう。
自分も住民なのでしばらく前に閉鎖・廃止の広報を目にしていたが、特に気に留めていなかった。
片田舎の平群町としてはあまりに豪華な施設だったので、どう考えても収支が大赤字だろうと常日頃から感じていたのだ。

立派なウオータースライダーが大人気だった

こどもが小さかった時期の3年間ほどはありがたく利用させてもらっていたし、今さら悪く書くつもりもないが、どうしても「バブル景気の中で無計画に造られた負の遺産」としか表現しようがない。
公営施設であり、採算だけを理由に閉鎖するのが難しかったのだろうがコロナ休業に乗じてこの期を逃さずとばかりにうまく閉めたもんだと感心さえしていた。

「大赤字を税金で補填するくらいなら閉めれば良いのだ。」一住民としてはそれ以上の関心は持たなかった。特に反対運動も起きなかったので、おそらく大部分の住民も同じだったと思う。ところが・・・

運営のずさんな実態が明らかに

たまたま眺めていたYahoo!ニュースのアクセスランキング一位に「町営プールの廃止でずさんな説明」という見出しが目に入り「分かる分かる、どこにでもありそうなネタや・・・」と記事を見てみたら、我が平群町ウォータパークの事案そのものだったのだ。😅

記事内に個人名が書かれているがご本人が顔出しした動画まである公開情報なのでそのまま載せておく。
実際には心ある住民が経緯を問題視して行動を起こしていたのだった。しかし、全然知らんかった。町の広報誌にも載ったことがあったらしいがふだん読まないし。一年前ニュース動画も出ていたというのに・・・恥ずかしいわ😅

しかもなんと、こんなローカルな”事件”がMBSニュースとして取材されていたのだな。
とにかく非常に正義感にあふれた勇気ある行動であり、称賛されるべきという趣旨で転載しておく。
ここで問題提起されているのはプールの存続是非ではなく、廃止決定に至った行政手続きがあまりにずさんと判明し、経緯について誠意ある説明責任を果たすよう平群町に求めたようだが、その結果までは今のところ分からないのだが成果はあったと思われる。
と、まぁこれで記事を終わらせてしまうとあまりに無能なので、公開情報を元に自分なりに調べてみた。

ウォータパークの問題点

平群町が公開している非常に見づらく理解しづらい業績報告書があり、それを元に作成した。

営業していた直近の5年間だけでも、予想以上の赤字7,777万円という、バチプロも真っ青となりそうなとてつもない酷い状況。レジャー施設の運営資金補填が国や奈良県から補填されているとは考えにくい。
初期費用回収どころではなく、8000世帯ほどの小さな町で毎年1,000万円を大きく超える赤字は、どう考えても各種税金となって平群町民の負担増で跳ね返っているはず。(単純に住民税への転嫁をしていない)
おそらく2014年以前もずっとこんな状態が続いていて、累積金額がどうなるのか背筋が寒くなるし年間の”工事費”や”修繕料”などの内容が妥当なのかどうかなど、疑い出すとキリがなくなる。
数値が信用できて自分が町長だったら迷わず「終わらせよう」になる。説明はちゃんとするがね、😅
個人的な独断と偏見の結果論に過ぎないのだが、

営業赤字は住民負担
  • そもそもレジャーランドのような豪華施設を造ったこと自体が間違い
  • 規模も施設も酷似している隣町の三郷町ウォーターパークが既に存在していた
  • 過疎地に近いような環境で温水プールもなく年間2ヶ月間しか営業できないのに採算が合うはずがない
  • ファミリーやこどものためという役目はじゅうぶん終えた
  • おそらく10年間以上も赤字が常態化していた時期に廃止すべきだった

抗議グループが問題視していたのは、廃止の理由が「営業再開には改修に5億円という莫大な費用がかかる」ためという虚偽の説明に対してである。
町の年間予算が70億円程度なので、ごく短期間の住民サービス目的だけで存続が無理というもっともらしい説明ではある。
しかし2017年度に1,500万円以上も投入して、主要部分はメンテナンス済みであるという事実も暴露された。
すなわち「営業再開のための改修費にそんなにかかるわけがないはず」との疑惑が発生したのだ。

閉業後一度も水抜きすらしていないらしい

動画を見れば一目瞭然だが、町側の対応はまさにずさんで無責任。
いつ、誰が作って誰が承認したかも分からない見積書が根拠だそうだ。
非常に読みづらいが最も重要な右下の合計金額は約5億4千万円
末尾には、ごていねいにも責任逃れの注釈がちゃんと書いてある。

抗議グループ発起人がえらいのは、この内容が単なる改修ではなく一から作り直す全面改修と見抜いたこと。
動画内では、改修費とするなら実にこの金額の10分の一、すなわち約5千万円とされている。
いずれの金額も大雑把ではあるがあくまでも見積ですからね、もしそうだったとしても(5千万円でも)、万年赤字施設を維持する合理性はまったくないと個人的にも考えるが、住民による抗議行動が有意義であったことは強調しておく。

廃止は妥当だとしても説明責任を放棄していることが問題

国でさえも説明軽視や問題のすり替えなど、この種のごまかしは当たり前のように行われているので、平群町の町議会に対して責任追及してものらりくらりかわされることになるのだろう。
しかし、繰り返しになるが行政の怠慢に対して声を上げて行動する住民が存在するという事実は重要である。
この問題をもって町議会議員が無責任で怠慢であるとは考えない。諸問題に真摯に成果をあげているはず。
町議会もこの問題を契機としてこれまで以上に真剣に取り組んでもらいたい。

となりのスポーツセンターは盛況

なぜ、は意思決定時にまともな説明をしなかったのか。
たぶん、遡って責任追及されるのを恐れたのか、本当に何も考えてなかったのか・・・かな。
えっと、これ何のブログだっけ・・・😅

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