SHURE V15 TypeⅣの復活!!

若かりし頃、日本中がオーディオブームの中にあった時代。
しかし、”ブーム”と呼ぶには、その期間はかなり長く続いたという記憶がある。
自分はオーディオマニアではなかったが、オーディオ機器には常に関心を持っていた。上り坂で活気あふれる業界だったので、欧米や日本の多くのメーカーから次から次へと新製品が発売されていて、魅了されるようなデザインをまとった製品も実に沢山あった。音を出さなくても、眺めているだけでも満足という魅力あふれるオーディオ機器達・・・
その主役であったオーディオ機器は、一部のマニアを例外とすれば、用途はもちろん音楽を聴くための道具であり、その音楽のソースはLPレコードだった。
もうひとつの柱として、FM放送も大きな役割を果たしていて、ちゃんとしたアンテナを立てて高性能チューナーで受信すれば、信じられないほど良いサウンドを楽しむ事が出来たが、やはりLPレコードの高音質とは比較にならなかった。
1枚の同じレコードでも、オーディオ機器のレベルが上がれば上がるほど、さらに高音質になる事を身を持って体験していたので、レコードは永遠の財産だと思っていた。

CDに駆逐されるまでは

レコードは再生する度に劣化するので、よく聴く盤はテープに録音してそれを再生していた。貴重な財産の品質を維持するためと、利便性のためである。そのテープは数年ほどでオープンリールからカセットに変わった。カセットデッキに注ぐ日本メーカーの執念はすさまじいものがあり、瞬く間にオープンリールデッキは過去の遺物になってしまった。
そんなわけで、LPレコードをそのまま再生するという事はあまりなかったし、長期間同じ機器を使い続ける事もなかったので、ピックアップカートリッジの針を交換した記憶もない。針の交換ってどうやるのかも知らんかったし。(;`ー´)
例によって長い前置きになってしまった。
愛機”Dual 721″に装着している”Shure V15 TypeⅣ”の針交換を決意したのである。

これまで本ブログで「”721″の再生音に満足している」と何度か書いているが、問題がないわけではなかった。
時折り、音が歪むのだ。高音質なレコードで特に顕著に発生する。そのため、全体的に少し濁っているような感じがして、安心して聴いていられない状態が続いていた。再生機器としてはかなり致命的である。
もちろん、針圧調整やアンチスケーティング調整等は入念に何度もやり直したが改善しない。

これはもう、ピックアップカートリッジの本体である針かカンチレバーの劣化であると断定し、交換する事にした。
何しろ発売日が 1978年なのである。手持ちの物が何年製か不明だが、劣化していて当たり前ともいえる・・・
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有り難いことに”日本精機宝石工業”さんが各社の互換製品を製造販売してくれている事が分かったので楽天で注文
手前が新品、奥が外してきたパーツ。
パーツのお値段は 9,480円と格安。これで名カートリッジが新品同様の品質になるなんて・・・

おっかなびっくりで、パーツの両端を押し込みながらゆっくりと引き抜くと難なく取り外せた。
装着する時は同様に、慎重に押し込んでいくだけ。それにしても汚いツメやなぁ・・・(;`ー´)
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カートリッジをトーンアームに戻し、針圧を再調整してスタート!!
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す、素晴らしい!! まるで眼前で演奏しているかのようなクリアでダイナミックなサウンド。
音の濁りなどまったくなく、スクラッチノイズさえも激減したような・・・
これが TypeⅣの実力だったのか・・・今まで聴いていたのは何だったんだ・・・(´・ω・`)
20140223-8.jpg
やっぱりレコードは不滅です。ヽ(゚∀゚)

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