「快活クラブ」レポート

国道24号線沿いにある「24号奈良店」は公共交通の便が悪いロードサイド店であり、徒歩の来店はほぼないだろう。
至近距離にある紳士服大手の「AOKI」の子会社として全国チェーン展開して来たが、最近になって系列別会社に変わっている。
直近の決算内容を見ると、”複合カフェ事業”が黒字となっている事に驚いた。驚いた理由は、”漫画喫茶/ネットカフェ”という業態はすでに成熟産業であり、大きな成長など見込めない上に、何よりもこのビジネス事態が低収益なのだと思っていたためである。
大企業が新たに進出するなどありえないはずだったがこれまで怒涛の勢いで店舗数を増やして来ていて、奈良県にも4店舗ある。
収容人数の多さに加え、ビリヤード・ダーツ・カラオケなどと併設するなど、資金力にものをいわせて一人勝ちになってしまえばそれなりに経営が成り立つという事なのだろう。
2019-01-21_DSC09488.jpg
それにしても、「快活クラブ」の利益構造はどうなっているのだろう。何しろ基本的に客一人あたり3時間500円程度の料金。
どんな計算をしても経営が成り立つはずもないのだが、そこは種々の施策で単価を上げる事に成功しているのだろう。
2019-01-21_DSC09533.jpg
何度か通っているが、中規模の店とはいえ従業員は常時 3~ 5名はいてそれなりに皆忙しく働いている。
この業種は小規模な店ではワンオペなど当たり前で、しかもそれはバイト。それくらいでないと採算が取れないはずなのだが・・・
2019-01-21_DSC09511.jpg
スタッフが手を抜いていない証拠のひとつとして、店内は常に清掃が行き届いて清潔さが保たれている。奥に見えるガラス張りの向こうは喫煙ルームとなっていて、一般客は不快なタバコに悩まされる事のない完全分煙である。
2019-01-21_DSC09525.jpg
“オープンシート”ルームは個室感覚で仕切られているが、適度に囲まれ感であり閉塞感はまったくない。
2019-01-21_DSC09491.jpg
とにかく、はじめて利用した時には、このゆったりスペースに心底驚かされ、そして感心した。
2019-01-21_DSC09493.jpg
全体の雰囲気的にはファミレスなのだが、ひとりで過ごせる占有スペースは圧倒的にこちらが上。もっとも、ファミレスで 4人テーブルを独り占めするような場合は別だが、そんな厚かましさは持ち合わせていない。(;`ー´)
2019-01-21_DSC09497.jpg
客単価をアップさせる最上の策がフードサービスなのだろう。ファミレスに匹敵する充実メニューリストと料金である。
店には悪いけど、自分がこれらをオーダーする事はまずない。(*´~`*)
2019-01-21_DSC09505.jpg
各ブースにはUSBとAC100Vコンセントが完備されている。
2019-01-21_DSC09506.jpg
もちろん、通路も良く整備されていてチリひとつ落ちていない。木部のツヤツヤが保たれているのも大したもんである。
2019-01-25_DSC09543.jpg
フリードリンクなら欠かせないはずのこんな設備がちゃんと用意されているのも高得点。
2019-01-21_DSC09517.jpg
奥の方に、いわゆる”ネットカフェ”らしい個室タイプのブースが沢山並んでいる。
2019-01-21_DSC09516.jpg
こんな狭いスペースを自分が利用する事はないが、外と遮断された自分だけのスペースを求める人はまだまだ少なくないようだ。
2019-01-21_DSC09518.jpg
雑誌コーナーも充実していると最初は感じていたが、やはり書店のようなわけにいかない。何度か通ううちに、しょせん手にとって読んでみたくなるのは数冊に過ぎないという残念な事実が分かってくる。( ´ー`)
2019-01-21_DSC09524.jpg
ベースが”漫画喫茶”なのでコミック数は充実している、といいたいところだが、この規模の店としては非常に少ない。ざっと見て2万冊くらいしかないのではないか。”ジョジョ”や”バキ”や”キングダム”や”寄生獣”などが全冊揃っているのは当然だが、その他自分が関心のあるちょっとマイナーな作品はひとつも見つからなかった。
とにかく、この限られたスペースで在庫管理もかなり工夫しているのだろうな。
2019-01-21_DSC09522.jpg
とはいえ数万冊のコミックである。パソコンによる検索システムが常備されていて、収納棚の位置まで分かるようになっている。
コミック在庫はネット上からも検索出来るので、出かけてみたら目当ての作品がなくてガッカリという心配もない。
2019-01-21_DSC09531.jpg
店内に騒がしい雰囲気はまったくなく、非常に静かに保たれているし、最大の問題となるケイタイ通話用に専用室まであるのだ。
2019-01-21_DSC09534.jpg
ビリヤード・ダーツルームは、出入り口横の部屋で、禁煙室同様にガラス扉で完全に分離されている。時間貸しの店にとっては長時間の滞在が見込めるととはいえ、カラオケもそうだがグループでやって来て騒々しい客層は本業とは相容れないはずだがこのように完全に分断出来るのであれば問題ないのだろう。
開店後10年位経っているようだが、この店はたしかに新しいハイブリッドな店ではある。ファミレスとネットカフェの欠点を極力排除し、それぞれの長所だけをキープしているというイメージ。
自分の目的からすると、表面的には普通のファミレスでも用が足りるのだが大きな違いがいくつもある。

  • ヒマな若者やおばさまたちのような騒々しい他の客に悩まされる心配がない
  • ゆとりのスペースの指定席
  • 気兼ねなく長時間の滞在が出来る
  • 無料でしかもじっくりとコミックや雑誌が読める
  • 並のファミレスよりもスタッフのレベルが高い
  • 望めば専用パソコンでネットやゲーム三昧も自由
  • 料金がリーズナブル、というより安すぎるほど

そんなわけで、この店は”ネットカフェ”がベースになってはいるが、自分にとってはたしかに新しいイメージの”複合カフェ”である。
最後の「安すぎる料金」についてだが、3時間弱くらいの滞在でフリードリンクに無料のモーニングサービスまでついた上に”シニア割引10%”もあり支払額はたったの 463円で済んでいる。毎週購入していた350円の”ヤンジャン”の事を思えばホントにタダ同然。
しかも、入店ごとに100円相当のポイントが自動付加されるので 5回に一回は無料利用出来る事になる。これほど設備の整った店で。
それでも黒字経営出来ているようなので、自分のような儲からない客ばかりではないだろうとはいえ、本当にこの店の収益構造はどうなっているのか興味津々である。その観点からもしばらく通う事になりそうです。( ´ー`)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA