上海ツァー その3

関空のイミグレーションでは、荷物チェックもボディチェックもなしで拍子抜けのようなカンタンさだった。
乗り込んだ中国東方航空の旅客機は比較的新しい型のようで、乗り心地も悪くなく、まずまず快適に過ごせた。
ここまでは順調に運んでいる。乱気流に出会うこともなかったが唯一の不安要素が、有名な「大気汚染」。
わが国のメディアではもっぱら北京の惨状ばかりが報道されているのだが、遠く離れた上海ではそれほどでもないので心配いらないとの I氏の説明で一安心していた。しかし。
何とこの日になって突然状況が悪化し、AQI(空気清浄指数) 205 との報告。数値の意味になじみがないので意味が良く分からないが、これって、北京と変わらない劣悪状態らしい。何てこったい。((´゙゚’ω゚’))

ついに”浦東国際空港”に到着。予定撮りの15時だが、現地時間では約1時間もどって14時となる。空港内はちょっと簡素な雰囲気と思っていたら、第2ターミナルの方は最新の設備でかなりイイ感じらしいと後で説明を受けた。
ここで早速困惑したのが「入国カード」。事前にガイドブックを見ていたのでこれが必要な事は分かっていたが、機内で客室乗務員から受け取って早速書き込んだら、やらかしてしまった。(´д`)
Imicard.jpg
まず、[姓]欄に”名”を書き始めてから気付き、取り消し線を入れたがそれで通るのかどうか分からない。
そして、9 の[滞在先]欄。これまでに見たガイドブックは例外なくこのサンプルのようなホテル名が書かれてあったが、今回の滞在先は友人宅である。マンション名でも書けば良いのだろうとは思ったが、これまでやり取りしたメールではすべて会社の名称と住所しか書かれていなかったので、焦った。どうせカタチだけのチェックだろうから、ガイドブックに載っているホテル名でも書いてしまえ、といつもなら開き直れるのだが、何しろ今回の相手はあの”中国”である。万が一質問されて答えられなかったらヤバイ状況になってしまうかもしれない・・・
着陸態勢に入るところだったのでスッチーたちはもう姿がないし、周りの乗客に日本人はおそらくゼロ。
なぜ分かるのかって、その根拠は機内での他の乗客の会話がすべて中国語(たぶん)だったから。

こいつは参った。I氏にヘルプを求めようにもケイタイは通じないし、メールも使えない。万事休す。
最初の誤算がケイタイだった。事前に仕入れていた情報では、自分の持っているソフトバンク3Gケイタイはそのまま使えるはずだった。関空でも問題なく通話出来た。
しかし、現地入りしてみると通信不可!! 異国の地で誰とも話せないなんて !! 焦った。(;`ー´)
とりあえず降機してから他の乗客の列についていって、入国審査エリアにたどり着くと、ガイドブックの解説通りにあちこちにカードがおかれてあったので、新しく書き込むことにした。姓名は間違いなく記入し、滞在先には会社の住所を漢字で書いてやった。これまで目にしたどのサンプルにも、このカードに漢字で書き込んだ例はなかったが、もう開き直りである。で、それで難なく通りました。やれやれ・・・( ´ー`)
職員はたくさんいたが、日本語の通じそうな人物がいそうになかったのがツラかったなぁ。
そそくさと出口に向かうと、ガイドさん(I氏)がちゃんと待っていてくれて、肩の力がようやく抜けて楽になった。
※面倒なので、I氏の事は以降「ガイドさん」と表記する

空港ビルを出ると、どんより曇った空と、聞きしに勝る大気の汚さにげんなりしたが、息が出来ないほどではない。マスクを付けている人もほとんどみなかったし、どうって事はないと自分に言い聞かせる。現にガイドさんだって、使ってない。「こっちはだいたいこんなモンだから。今日は特別にひどいのは間違いないけど。」である。
とりあえずは、宿舎である I氏の高級マンションに迎う事になり、タクシーに乗った。”リニアモーターカー”もあるけどどっちが良いかと問われてタクシーに決めたのである。お楽しみは後にしておきたかったし。
客待ちタクシーは沢山いたが、先頭の赤っぽいカラーのクルマに乗り込んだ。「実は赤色系統のタクシーはあまり良くない場合が多いのだが、もぐりではないので大丈夫だろう。」とのガイドさんの説明。

タクシーを選択して大正解。早速現地事情を体験出来たためである。それは”カミカゼ運転”。公道レースをやってんのかと感じるほどのハイペースで飛ばすわ飛ばすわ。しかも、前車に追いついては10センチくらいの隙間を縫って追い越すジグザグ運転の繰り返しでスリル満点。(;`ー´)
他のタクシーだって同様なので、最初のうちはかなり緊張した。しかし、良く考えてみたらば、30~40年前のわが国だって、空気の汚さもカミカゼタクシーも当たり前だったわけで、それを思い出して気が楽になった。
それにしても、運転中に後ろを振り向いてタバコを勧めてくれるのには恐怖だった。((´゙゚’ω゚’))
ふだんはタバコをやらないというガイドさんだが、「断るとキレる場合があるから」と平然を装いつつ受け取って火を点けた。運転手もである。たちまち外気以上の空気汚染。当然窓を開けるが、20度近い気温なのが救いだった。
で、そんなに飛ばしてかなり早く着いたのかというと、逆だった。ガイドさんの予定では30分1時間程度の距離だったはずが、1時間半近くかかったのだ。「くそ、やられたな。」ガイド氏は何度か舌打ちするも「ここで降ろせ!!」とまでは強硬に出られないようで、仕方なく悪徳運転手のやりたい放題となってしまった。
ようやく目的地に着いたが、当然ながら料金も 2倍近く 1.5倍請求され、しぶしぶ支払う事になった。実際には、運転手は何度か進路をどうするか指示を求めて来てはいたので、悪徳と決めつけるわけにはいかないが、ほぼ二倍の距離を走行したようなで、結果は同じである。「やっぱり赤のタクシーはダメ」がこの地で最初に学んだ事。
マンションに荷物をおろして、それでも夕食までには時間の余裕があったので、近所の散歩に出かけた。

これは途中で寄った”カルフール”。もう日本ではお目にかかれない巨大スーパーである。やたら広すぎてどこに何があるのか分かりづらいので、ガイドさんもほとんど来たことがないとの事。
日本では何度か入ったことがあるのだが、ずらりと並ぶ水槽など、やっぱりここではかなり店内の雰囲気が異なる。
やたらと目についたのが、ソーセージ。ガイドさんによると、ソーセージの開発は中国のほうが早かったらしい。
この辺りは日本人居住者の多い地域との事で、こんな店もたくさん見かけた。
なぜかフツーのマンションもあちこちでライトアップされているのだが、良く見ると電球切れが放置されていてあまり見栄えは良くない。最初にカネはかけるがメンテナンスはテキトーと。「お国柄」ですな。
ちょっとドリンク類を買いたいと、ガイドさんが”セブンイレブン”に入っていった。
あぁ、やはりこうゆう看板を目にするとほっとするなぁ。
店内の様子は当たり前といえば当たり前だが日本と変わらないが商品が違うのも当たり前やな・・・
ここから見ると、完全に見慣れた風景で安堵する。(´∀`)
何となくこんなのも撮ってみたが特にコメントなし。( ´ー`)
DSC03707.jpg
撮ってる時は気付かなかったが、それにしてもこの異様な空の色はいったい・・・
その後何軒か回って、いよいよお食事 & 呑み会タイム。最初はちょっとこじゃれたレストランに入ったのだが、メニューをしげしげと見てもピンと来るものがないのでちょっと困った。ガイドさんとも「入るのは初めてだが、たしかにこの店は良くないね。」と意見が合い、何もオーダーせずに店を出た。気に入らねばそれで良いらしい。
次に向かったのはガイドさんお気に入りのイタリアンレストラン。ここでサラダやピザにリブステーキ等で満腹。
お勧めだけあって、さすがどの料理もとても美味かったが、雑談に花が咲いた事もあり、写真はない。
ま、ヘタに写真を出して某師匠からツッコミが入るのもかなわんし・・・いや、ジョーダンですよ。(;`ー´)
ゆったりと生ビールとワインを堪能する事が出来て、マンションに戻った。
ここで問題。
なぜ上海料理や広東料理の店に行かなかったのかという疑問は当然発生するだろう。もちろん自分もそれを期待していたのだが、事前にガイドさんから「あまりお勧めできない」と念を押されていたのである。
早い話が、日本の中国料理店のレベルは非常に高く、それより良い料理を出す店は数少ない高級店に限られているとの事であった。今回は最小限の滞在日数という事もあり、食事に不満が出る可能性は排除したいとのガイドさんの配慮により、こうなったのでした。( ´ー`)
自分としては、特に味覚のレベルが高いわけではないのでフツーの店でも良かったのだが、ここはガイドさんに素直に従っておくべきと判断した。

そんなわけで。
今回は I氏の高級マンションに宿泊させてもらう事になっていたので、ホテル代ゼロという倹約ツァーが実現。
賃貸マンションであるが、ざっと90~100㎡の 2LDK。ちなみに I氏の本業は”副総経理”。さすがです。

部屋に戻ってからもシャワーを済ませた後で、黒ビール等を手にして雑談に花が咲き、いつもの就寝時刻を大幅超過してからお開きとなった。
こうして初日の夜はたちまち爆睡モードに入り終了となった。

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コメント

コメント一覧 (7件)

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    もしかして撮影禁止の貼紙を意識して撮ったの?
    影に潜んでる警察が「御用だ!」なんて出てこなかったみたいですね。
    確か韓国の金浦空港も撮影禁止マークがあったと思います。
    なんかこのレポートスリリングでおもしろいです(^^)

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    ガイドIです(^^;
    捕捉します。
    今回のタクシー料金ですが、通常200元ぐらいのところを285元とられました。5割増しでヤラれました。また、通常1時間かかるところ1時間20分掛かりました。
    いずれにしてもハンセイです。今回はプライベートなので社用車を差し回すことはできませんでしたが、せめて知っている運転手の車を予約しておけば良かったと思います。
    それと、今回のように迂回して料金を余計にボッタクられることはたまにあるようですが、上海は大回りしてもせいぜい今回レベルです。今後、上海に旅行で来られる方はあまりビビらないでください。タクシー運転手も客と揉めると永久にタクシー免許を剥奪されるリスクを抱えていますので、セコいことはしますが危険な目に遭うことはまずありませんので。

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    いやぁ、いつもながらおたけさんの一味違った目の付け所には感心させられます。
    カメラを首にぶら下げた状態で歩いてたんですが、何の注意も受けなかったし、平気で何枚も撮ってました。
    件の貼り紙には、コメントを見るまで全然気が付かなかったです。
    「知らぬが仏」とはこの事ですね。(;`ー´)

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    中華料理店について
    最初に行った店は「避风塘」といい、上海ではまぁまぁの店(ただしチェーン店)です。私は何度か食べています。
    もっと美味い店もいくらでもあるのですが、だいたい本格中華は一皿のボリュームが多く、男二人で3皿食べられるかどうかなので今回は避けました。
    また、台湾料理は確実にウマイのですが、小さい店がほとんどで日によってはうるさくて話が出来ない可能性があるので今回は避けました。今回はこのように消去法的に決まった次第です。
    それにしても何料理と限らず日本の料理はレベル高いですね。少なくともコストパフォーマンスは高い。そしてそれに対抗しようとすると、結局イタリアン…(^^;;;

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    頼りになる専属ガイドさんのおかげで、今回のミニツァーは本当に安心して楽しく過ごせました。謝謝ベリィマッチ!!
    記事の内容は、とにかくいいかげんな記憶を元に書いてるので、間違ってるところは遠慮なくツッコミを入れて下さい。
    直ちに訂正いたしますので。まだまだ続くぜ。(;`ー´)

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    毎日楽しくみさせてもらってます(^^)
    あるさん、タイーホされなくて良かったですね(^_^;)
    イミグレーションエリアが撮影禁止なのは、たぶん世界共通ではないでしょうか?
    係官の顔や、現場のレイアウトなどが知れると警備上まずいからでしょうね。以前どこかでしゃがんだままで密入国しようとした輩がいたという話を聞いたことがあります。

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    "タイーホ"か、今から思うとマジに冷や汗モノですわ。(;`ー´)
    実際には、その手前の長い通路で撮ったんですが、貼り紙がある事には違いないですね。
    一応、念のために当たり障りのないものに替えときました。

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