終の棲家を造る(その1)

今さら云うまでもない事ですが、資産家でも事業家でもない一介の庶民にとって、注文住宅を建てるというのは一世一代の大事業です。ほとんど一生かかって払い続けるローンと引き替えにようやく手に入るような高額な買い物であり、しかも今回は買い換えなので、更に事はカンタンではありません。

わたしは、男としては子供の頃から家というものにかなりこだわりがある方で、しかも「快適な環境に建つ一戸建て」にしか関心がありませんでした。ですから住居を考えるスタート地点である「持ち家か賃貸か」という議論は最初からパスです。

なぜなら、よほどの僻地は別として賃貸で「快適な一戸建て」など事実上存在しないからです。そのような物件自体はありますが、途方もなく高額な賃料と敷金であるため対象外です。

さて、現在居住中の家は中古物件なのですが、実は訪れる知人のほとんどが異口同音に羨ましがるくらいの良い物件なのです。外観はいまいち平凡なのですが、総サイディング貼りのため変色などほとんどなく、きれいなままです。そして南面に位置する一階の3室が合計26畳ほどあり、間仕切りなしで一体化しているため実に開放感にあふれています。家具や備品も最小限に抑えているため、とても小さな子供のいる家には見えません。そのうえ南側はクルマの通らない歩道に面していて、とても明るく、通行人もほとんどないので人目も気になりません。

更に、二階には自分のための10畳の個室があり、はた目には一体何の不満があって住み替えるのだというくらいの家ですが、終の棲家とするには耐えられないという大きな不満があります。
それは「冬の寒さと遮音性能」です。

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