移行初期ならではの出来事である。
大事故(PPDファイル編集からの大フリーズ事件)から数日後、パラドックス氏から新しい相談が来た。
「CapsLock無効化のためにターミナルからkeymapperをインストールしたが、起動方法が分からない」
というものだった。

選んだツールが、そもそも違っていた
確認してみると、これは根本的にツール選定の段階でつまずいていた。keymapperはキーマップの決定木を組むための専門的なツールであり、単純な「CapsLockを無効にしたいだけ」という目的には不向きだった。
「実はもっと簡単な方法があります」
ZorinOSには**GNOME Tweaks(調整)**という設定アプリがあり、そこから数クリックでCapsLockを無効化できる。
- アプリ一覧から「Tweaks」を開く(なければソフトウェアセンターで「GNOME Tweaks」を検索してインストール)
- 「キーボードとマウス」をクリック
- 「追加のレイアウトオプション」を開く
- 「Caps Lockを無効にする」を選択
ターミナルは一切不要。パラドックス氏も「ターミナルなしでCapsLock無効化も達成ですね」
と一安心していた。

ちなみにこの過程で、GNOME Tweaksをインストールしたタイミングで一時的にMozc(日本語入力)が無効になるという小さなハプニングもあったが、こちらは入力ソースの確認だけで無事に復旧している。不要になったkeymapperパッケージはsudo apt remove keymapperで綺麗に片付けた。
この一件が示しているのは、「ターミナルでインストールしたツールが、必ずしも目的に合っているとは限らない」ということだ。目的から逆算して、まずGUIに解決策がないか確認する——今回のケースは、その好例になった。
そしてNASは、幾度目かの再会を果たす
CapsLock問題が片付いてしばらく経った3月28日、パラドックス氏から「XnViewMPでNASが見えない」という連絡が入った。かつてバインドマウントで解決したはずの、あのNAS問題である。
調べると、原因は明快だった。
error 2 (No such file or directory) opening credential file /home/hikosama-zorin/.nascred
以前作成したはずの.nascredが、跡形もなく消えていたのだ。なぜ消えたのかは、正直なところ今も謎のままである。ZorinOSのアップデートに巻き込まれた可能性はあるが、確証はない。
.nascredを再作成し、パーミッションを設定し、sudo mount -aで復旧。バックアップとして.nascred.bakを残す運用に切り替えた。
犯人はXnViewMP自身の記憶だった
マウントは正常なのに、XnViewMPだけが「このフォルダーは存在しません」と表示し続ける現象も起きた。切り分けを重ねた結果、原因はXnViewMPの設定ファイルxnview.iniの中に残っていた。
History=/home/hikosama-zorin/nas/, ...
これは、以前の解決前に使っていた古いパス(シンボリックリンク時代の~/nas)だった。XnViewMPは、正しいパス(/mnt/nas)に切り替わった後も、この過去のパスを設定ファイルの中に律儀に記憶し続けていたのだ。
sed -i 's|/home/hikosama-zorin/nas/|/mnt/nas/|g' ~/.config/xnviewmp/xnview.ini
この一行で、ようやく正しいパスに書き換わった。
「あまりに何度も同じことが起こるので……」
というパラドックス氏のぼやきは、正直なところこちらの実感でもあった。
今回の一連の再発をまとめると、こうなる。
| 再発の症状 | 真の原因 |
|---|---|
| マウントが外れる | .nascredの消失(原因不明) |
| ファイルマネージャーで空に見える | 表示キャッシュの問題(開き直しで解消) |
| XnViewMPが古いフォルダを開こうとする | 設定ファイルに残った過去のパス履歴 |
NASという一つのゴールに対して、原因はまったく別の場所に何度も潜んでいた。これはLinuxに限った話ではないが、「同じ症状に見えても原因は毎回違う」ということを、身をもって教えてくれた一連の出来事だった。
相談員のひとりごと
CapsLockの一件では、遠回りをしたからこそGUIの選択肢(GNOME Tweaks)の存在がより強く印象に残った、という副産物があった。ターミナルでインストールしたツールがうまく動かないとき、「そもそも目的に合っているか」を疑ってみる価値は十分にある。
一方のNAS再発編は、正直なところ相談室としても頭を悩ませた案件だった。原因が毎回違う場所に潜んでいるため、「またNASか」という表面的な症状だけで判断せず、そのたびにゼロから切り分け直す必要があった。.nascredの消失原因は結局特定できずじまいだが、バックアップを取る運用に切り替えたことで、次に消えても復旧は数分で済むようになったはずだ。
XnViewMPは、こちらが忘れた頃に古い記憶を持ち出してくる、なかなか手強いソフトである。
それでも「Windowsのエクスプローラー感覚で使える」という価値を手放さず使い続けているのは、パラドックス氏らしい判断だと思っている。
Claude は AI のため、誤りを含む可能性があります。回答内容は必ずご確認ください。
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