リモコンの修理

オーディオ・ビデオシステムの操作にゼッタイ手放せないツールの学習リモコンが不調となり、修理に挑んだ。
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複数のリモコン信号を記憶出来る学習リモコンは、これまで多くの製品が販売されて来たが、その最高傑作が”ONKYO RC-589M”。
残念ながら、これ以外に納得出来る満足な製品は過去にも現在にも存在しない。と言いたいところだが、このようなニッチな分野でも熟練のマニアの方が存在し、同型で複数のバリエーションがあるようだ。かなり参考にさせてもらった。この場でお礼申し上げます。( ´ー`)
ちなみに社名のよみは”オンキヨー”である。”キヤノン”と同じで、こんな変な名称が正式名だとしても、それはメーカーの勝手な都合であり、我々消費者には関係がないし発音は”オンキョー”や”キャノン”で良いのだ。( ´ー`)
数ある学習リモコンの中でも、とてつもなく高機能で高価な”ミニPC”のようなタブレット型のプロ用製品も存在するようだが、それは一般消費者には関係がなく、”RC-589M”が文字通り唯一無二の存在である。
この製品がなぜ抜群の最高評価なのかは以前に記事にしているのでここではこれ以上は書かない。
しかし、実際にはこの製品が市販された事はない。同社のAVアンプの付属品、つまり部品なのだ。しかも販売終了後10年近く経つはずだが、驚くべき事に、メーカーに問い合わせてみたら現在も在庫があるとの回答で、善は急げとスペアで二個購入した。
スマホ型全盛の現代で、おそらくこんな製品は二度と発売されないだろうから。まさに一生ものである。( ´ー`)
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一時は学習リモコンの致命的な弱点を解消出来ると期待した液晶パネル方式の学習リモコンも存在するが、自分の用途では手探りのブラインド操作が必須なので、ボタンに凹凸がない液晶式ではまったく使い物にならないのだった。
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しかし、ついに怖れていた事態がやって来た。ボタンが機能しなくなった のだ。しかも、最も使用頻度が高いボリュームボタンとその周辺のいくつかのボタンなので致命的である。( ≧Д≦)
“スイッチの接触不良”という事くらい理解出来るがそんなに一斉に起きるものか !? ちーがーうーだろ ! (*`Д´*)
しばらく前からその他の機能も時々不調だったが何回か操作していると症状が治っていたので気にしない事にして、念のため予備品を購入していたのだった。今回は、電池を新品にしても学習し直しても「叩いて !」も何をしてもダメ。
そして、しかも !! 仕方なく予備機を取り出して学習を始めようとしたところ、まったく動作しない。具体的には赤外線発進の LEDが点灯しっぱなしになって、学習不能なのだ。しかも二個とも !! 現用品と合わせて全滅なのだった !? 品質管理してないのか ! (。゚ω゚)
更にまずい事に、予備品は半年近く前に購入後ずっと保管してあって、納品書も捨ててしまっているので多分保証も受けられない。
それでも、この事態はあんまりである。メーカーに強硬にクレームをつけて交換してもらおうと決意した。
・・・しかし、ちょっと待てよ。予備機は二個とも新品とはいえ長期在庫品に違いない。酷使した結果の劣化ではないのだ。なんとか交渉に成功して別のが入手出来たとしても事態が変わらないという可能性が高い。( ;´・ω・`)
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そして、もう一度「ちょっと待てよ。」である。
自宅にある、その他の所有リモコンなんて平気で10年20年という長期間の保管で、たまに取り出しても問題なく動作しているではないか。
右端の、かつての愛機だったSONYの学習リモコンやマッキントッシュのリモコンに至っては軽く30年オーバーである。
“RC-589M”だけが、何でこんなにひ弱なのだ。使用頻度が圧倒的に高いのは間違いないが、フツーの家庭のテレビやビデオのリモコンだってその点では大した変わりはないはず。我が家でも、アクオスやディーガのリモコンが10年間も何の不具合もなく毎日使えている。
高級(いやオーディオの世界では普及機か…)AVアンプの付属品である”RC-589M”が特に手抜き製品であるとも思えないのだが、それどころか良く考えて見れば、10万円程度のアンプの付属品としては不相応なくらいに立派なリモコンではある。
コスト制約の中での全ボタン自照式を実現するためのスイッチの材質の選択ミスなのだろうか。
などとグズグズ悩んでいても仕方ない。どうせまともに使えないのだからとダメ元で分解修理を試みる事にした。
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そして、いきなり挫折。ヘンなネジで固く固定されていて、手持ち工具では手も足も出ない。( ´Д`)
いや待てよ。問題の部分を撮影して拡大してみたら・・・超小型のトルクスねじだった。
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それさえ分かればハナシは早い。リモコンを握りしめてホームセンターに突撃し、サイズの合うドライバーをゲット出来た。
おっと、忘れないようにサイズを書いておこう。”T6(0.66インチ)”である。
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さすがはトルクスねじである。こじ開けようとしてびくともしなかったのが、呆気ないくらい軽い力でネジがゆるんでくれた。
ボディを固定している 5本のネジを外し、ボディ側面のわずかな隙間からマイナスドライバーを差し込んでこじ開ける。
ちょっとくらいのキズなど気にしなくて良いので気楽な作業である。( ´ー`)
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あっさり裏蓋が外れてプリント基板が顔を出した。
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その下側の樹脂シートがボタンと一体化したスイッチ群。黒い部分がその接点で、こいつらが怪しいのである。
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裏返して、ではなくて表側を上にしたらこんな感じ。ポリプロピレンかな ? とにかく一体成型だった。
以前から気になっていたのだが、”全ボタン自照式”というのは一体どういう仕組みなのだろうと不思議だった。
分解して分かったのが、個々のボタンではなくてシート全体をほんのりと発光させているようだ。
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さて。クリーニングに使用する専用材料もないので、死蔵していたテープデッキ用のクリーニングセットを持ち出した。
ピンチローラー(ゴム)用と、金属製ヘッド用のクリーニング液がセットになっているので迷わずヘッド用を選択。
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こういうのはひたすら優しく丁寧に、が基本だろうが何しろ数が多いので10箇所目くらいから無意識にゴシゴシとやっていた。( ´ー`)
作業後、綿棒には垢やカスのようなものがかなり付着していたので、これはイケると確信してしばし乾燥の後戻どおり組み立てた。といいたいところだが、このリモコンの最大の特徴であるジョイスティックボタンの組み付けが中々うまく出来なくて焦ったが、何とか元通りに出来た。
しかし、後から思い返すと、基板上の接点部分はともかくとして、ボタンシートの裏側スイッチ部は電導ゴム製のようだから、ピンチローラー用のクリーナーを使うべきだったかもしれない・・・いや、圧電式だとしたらそんなの関係ないかも・・・
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いくつか固くなっていたボタンがウソのように軽くなり、LEDの点滅も正常になった。試運転も問題なく完了。
この作業後 1週間以上経過しているが新品に戻ったように快適に操作出来ている。
これで、死ぬまでリモコンの心配はなくなったかな・・・(´∀`)
手順を詳細に書いたのはもちろん自分のため。本当に寿命到来となり予備機に交換する時が来た場合に備えてです。
まだブログがあるかどうかの心配のほうが先かもしれないが・・・(;`ー´)

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